自動車・バイク部品の包装現場では、エンジンブロックやサスペンション部品といった重量物から、センサー類の精密部品まで、その形状や保護要件は千差万別です。従来の3層フィルムでは、角部や突起物によるフィルム穿孔(ピンホール)が頻発し、湿度の侵入で錆が発生するクレームが後を絶ちませんでした。特に海上輸送時の荷崩れ(荷ズレ)は、包装材の強度不足が直接的な原因となる重大リスクです。
当ラインで製造する5層ストレッチフィルムは、内層の粘着性、中間層の強度・耐穿刺性、外層の耐摩耗性を各層で最適化した多層構造が肝です。例えば、重量50kg超の鋳物部品をパレット梱包する場合、フィルムの延伸時に発生する「スリップ性」と「保持力」のバランスが崩れると、積層が緩んでしまいます。当社の機械は、樹脂の溶融粘度を層ごとに精密制御し、延伸率300%時でも層間剥離を起こさない一体成形を実現。不規則形状の部品が角を立てても、フィルムが薄くなる部分(シンキング)を極限まで抑え、均一な厚みで包装体を締め上げます。
防湿性においては、中間に設けたバリア層が水蒸気透過率を1日あたり15g/m²以下に抑制。東南アジア向け海上輸送で問題となる結露(コンデンセーション)から、デリケートな電子部品やメッキ品を守ります。実際に、某オートバイメーカーでは、当フィルム導入後、輸送中の錆関連クレームが98%減少。包装工程の自動化により、人件費を従来比約40%削減できたとの実績があります。
ライン設計では、樹脂原料の切り替え時のロス(パージング)を最小限に抑えるスクリューデザインを採用。24時間連続運転でも、層厚のバラつきが±2%以内に収まり、歩留まり向上に直結しています。包装コストの圧迫が課題であれば、当技術によりフィルム厚みを10%ダウンしながら、同等以上の保護性能を維持するソリューションもご提案可能です。国際輸送の厳しい環境下で、部品を「出荷時そのまま」の状態で届けるためには、包装材そのもののエンジニアリングが不可欠です。

